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ワープロで文章を書こうとするのは大変だ。欠点の一つに、呼び出しの遅さがある。書いている途中で、読み直したいと思っても、目当ての箇所に行くのに時間がかかる。
単行本一冊となると、最低でも400字の原稿用紙で300枚になる。単純に文字量に計算しても3万字になる。
その全量をディスプレイに表示し、頭からスクロールし、好みの行を探り当てるのは厄介だ。書き下ろしの文章を書いている時は、原稿用紙10枚程度の分量でくくっておかないと、検索が面倒になってしまう。
ディスプレイに表示された文章を、矢印キーでひたすらスクロールしていく行為は無駄な時間をついやしているようでイライラさせられる。空しささえ感じてしまうものだ。
以前、そんなことをIさんと話題にしたことがある。「それは、パソコンが解決してくれる」と彼は、一言叫んだ。
頬のこけたキリストのような容貌から発せられる彼の言葉に、神の啓示を受けたような気分になってしまった。以来、パソコンへの「膨大な記憶量」と「検索が簡単」といった言葉のイメージが僕の頭に植え付けられたのだ。
僕は、彼の一言で暗示をかけられてしまったのである。まずは、東京の事務所に設置する「卓上型パソコン一式」そして、森で使うには携帯できる「ノート型パソコン」がいる。
次に大事なのが、森の生物をパソコンに写し出す「デジタビデオー式」か「デジタルカメラ」だ。それら、書いた文章や写真を印刷するには「プリンタ」も必要だ。
図鑑や写真画像を読み取る「スキャナ」がいる。これらの値段を積算したら100万円を超えてしまった。
しかも、パソコンは、ハードウェアのみでは作動しない。パソコンを動かすには、ソフトウェアが不可欠だ。
日本語で運用できる「文章ソフト」に、デザイン制作にはグラフィッデザインやイラストの処理ができる「画像処理や編集処理ができるソフト」が必要だ。それに、英語が分からない僕は英語翻訳ソフトがいるだろうか。
そして、インターネットができるソフトが必要だろう。だが、どう見積もっても130万円は超えてしまう。
リッタカーの新車が買える値段だ。ますます、我が家の経済ではと、悩んでしまった。
「4、50万円なら」と、ふんでいた予算は大きく超過していた。欲張り過ぎているのかもしれない。
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